会報『あすなろ』2016年2月号

支部長の独り言 『スタンダード(基準)を持つ』

「これ巻いていると楽なんだよな~。○ンテリン・サポーター」あるいは「雑菌だらけの水を、空気中にまき散らしている加湿器、○イソンの加湿器なら雑菌は0」とか「まだあなた、水拭きなの?菌をテーブルにこすりつけているようなもの。これからはアルコールで…」などというCMが流されています。CMだけ聞いていたら「このままじゃいけないんじゃないか」というような気持ちになってしまいます。

便利なこと、楽なこと、清潔なこと、これは誰しもが求めることだと思います。 例えば買い物に行くことを考えても、歩いて行けば、時間はかかる、天候に左右される、荷物は重い、疲れる…などたいへんです。車を使えば、駐車以外の問題はなくなります。そんな、楽がしたい、便利に行きたいという気持ちに、そうしないと不安でならないという暗示を取り込んだものが、文頭にあげたCMです。腰が痛い、膝が痛い…「サポーターを巻けば、こんなに楽になりますよ」と訴えてきます。ばい菌に関しても、身の回りの微生物がさも危険なような演出で無菌の安全性を強調します。文明は安全・快適を目指して進んでいます。元気?に動ける人が、楽だからといってサポーターを常用する。家の中の微生物が気になって、しょっちゅう消毒する。楽を求めること(サポーターが体を支えるため)により、筋肉はその働きをしなくなります。ばい菌がいるのが当たり前の普通の環境の中で、体は免疫を強くして体を守っているのです。無菌では免疫は働く必要がありません。『楽』と引き替えに自分の体の大切な能力を失っていくのです。
以前病院で、寝たきりの人のフロアーを通ったことがあります。たくさんの方がほとんど身動きせず、無表情で口をぽかんと開けて天井を見つめていました。この状態が何年も続く…と思った時、何とも言えない気持ちになったのを覚えています。同じ年代でも、元気に日々の生活を送っている人がたくさんいるのに、病院で寝たきりの生活をしている人もいるのです。運動不足=将来寝たきりは、あまりに短絡的な発想かもしれませんが、せっかく伸びた寿命も病院のベッドの上で過ごすのは、あまりにもったいないような気がします。単に寿命を延ばすだけでなく“人間らしく長生きしたい”とは、誰もが願うことだと思います。そのためには、健康な体と人生における数々の選択を後悔なく行うための、しっかりした『心棒』を自分の中に作り上げていくことが必要となります。もちろん人には、いろいろな立場・考え方があり「これが絶対に正しい」とか言うことはできません。だからこそ、他人の意見に惑わされない『自分の基準』を磨いていく必要があるのです。
空手を通して、体や心を鍛えるだけでなく、人に教えを請う姿勢(まず、しっかり話を聞くこと)から、情報を仕入れ見識を広める方法を学んでいくのです。また、この姿勢はとにかく基本を大切に、何度も繰り返す稽古によって得られるものです。
最終的に、何事にも動じない強い心、それを支える知識、健康な体を手に入れ“幸せを感じて生きていきたい”と思います。

支部長 重田紀元

アーカイブ

Top