会報「あすなろ」2020(令和2年)年8月号「危機…」

11月には米国の大統領選挙があります。

一時期は優勢が伝えられてたトランプ氏ですが、徐々にその人間性が曝かれ、選挙の行方は

混沌としてきました…。彼が大統領になって「○○ファースト」という言葉がよく使われるよ

うになりました。

○○を大事にする、と言えば良い響きですが、実際は「自分の国さえ良ければ」さらに言え

ば「白人さえ良ければ」と、かつて『世界の警察』と称えられた誇り高いアメリカが、単なる

利己主義国家へと移りつつある中、それに嫌悪感を持つ人も増えています。いろいろな考えを

持つ人が暮らす世の中で、自分達だけの損得を中心に考えていくと、最終的には必ずそのツケ

が我が身に降りかかってきます。

敗戦(もうすぐ75年)で貧しさのどん底にあった日本人は、アメリカという超大国の後を(豊か

さこそが幸福と信じて)追いかけてきました。

今でも高級品のCMでは白人モデルが多用され、戦後に刷り込まれた『白人への憧れ』も何ら

変わっていません。

更に、いつしか“楽をしてお金を儲ける事がスマート”とされ、3K(きつい、汚い、危険)で汗水

流して働くのは東南アジアからの出稼ぎ労働者で、自分たちはコロナで仕事がなくても

「辛い仕事は嫌」と妙なプライド?を持つ人が増えているのです。

今年はコロナ騒ぎで、多くのイベントが中止になっていますが、これからのイベントは、感染

症だけでなく参加者の安全対策が問われるようになってきています。

どんな(一見不可抗力に見える)事故でも、いったん事故が起きれば主催者の責任が問われる

(まさにアメリカの訴訟社会が日本でも…)のです。

責任が問われるとは、とどのつまり“賠償金を要求される(お金でしか解決されない)”という

ことです。

同じようなことで今問題となっているのが、産婦人科医の不足です。現在は医学の進歩から、

人はなかなか死ななくなってきていますが、それでも出産(新しい命の誕生)には大きなリスクが

伴います。

生まれるのが当たり前と思っている親からすれば、我が子に何かあったら「医療ミス?」と考

え、医者を訴える。

親の気持ちもわからないでもありませんが、とにかく何でもかんでも訴えられたら…と産科医

を選ぶ医学生が減っているそうです。

ということは、やがて産婦人科医の数が不足して安心して出産ができなくなるのでしょうか…。

教育も同じです。

先日、今教師をしている教え子に「先生は、教師は夢もやりがいもある仕事だ、とおっしゃった

けど、今の自分は何の夢も持てない」と言われました。

人間を育てる教育者が夢を持てない社会。この素晴らしい日本はどうなってしまうのでしょうか?

何でもかんでも誰かのせいにし「金さえあれば…」という米国流?のやり方を、本当に追いかけ続

けていっていいのでしょうか?

人は何か失敗しても、それを反省し将来に活かすことができれば、必ず成長することができます。

それを教えるのが教育なのに、今は失敗、即苦情でミスが許されないというのです。確かにお金も大

切ですが『豊かさ』以外に大切なものがあることを、まず武道を学んでいる私たちが、その素晴らし

さを再認識し、実践し、後世に伝えていくべきです。

空手道(肉体的強さ+精神的強さ+我慢、思いやり…)を学びながら“人間としていかに成長していけ

るか”という視点を常に持ち、目先の損得ばかりに心を奪われず、(特に親は我が子の)その先を見据え、

何が良いかを常に考える習慣を心がけていきたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


アーカイブ

Top