令和3年11月号 うら面「日本の未来は…」

いつだったか、学校の先生が同僚をいじめて話題になったことがありました。

その時「教師のレベルもそこまで落ちたか」と思ったものです。今思えば、事件を起こ

した教師達がちょうど小中学生の頃、教育界は大きな転換期にありました。それは『人

権意識の向上』特に体罰に対して、世間の評価が変わったことです。私が教師になった

頃には、親から「先生、うちの子が悪さしたら、遠慮なく2~3発ぶん殴って下さい」

などと言われたものです。自分が子どもの頃も、当たり前のように「悪い事をすれば先

生に叩かれる」と思っていました。それが良いか悪いかは別問題として、その(転換期の)

頃から学校でも“児童・生徒の名前を呼び捨てにするのは良くない”という風潮になり、多

くの先生方は「○○くん」「○○さん」と呼ぶようになり(現在は男女同権で○○さんに

統一)、児童・生徒はお客様のようになっていきました。今の学校では“子どもは叱っては

いけない、褒めて伸ばすのだ”が当たり前となり、大声で叱っただけで『暴言教師』と言

われ、下手をすれば懲戒の対象になってしまいます。

スポーツと武道の違いではありませんが、学校の先生と塾の先生の違いは『人間を育て

られるかどうか』だと思っています。かつての教師は、生徒と取っ組み合いながら、喜び・

悩み・苦しみを共有しながら、自身も成長していったものです。

しかし現在の教師は、生徒と深く関わることはなく(関わろうとしてもできない)、人間を育

てるという一番の喜びも薄くなった気がしてなりません。私も教育が今のようになってから

の教え子は、ほぼ印象にありません。

先日の山梨県で、19歳の少年?が一方的に思いを寄せた女性の家に侵入し両親を殺害、火を

放った事件。元妻をめった刺しにして殺害した事件。最近こういった事件が相次いでいます。

みんな自分の一方的な思いをコントロールできず、怒りを相手にぶつけてしまった結果です。

成長期に大事に守られ過ぎ、心に負荷のかからない生活を送った人間は、大人になっても相

手の気持ちと自分の気持ちのバランスを取ることができないのです。こういった人達が、今

増え続けています。更にTVやネット社会により、たくさんの情報が溢れるようになり、情

報の選択、真理の追究が苦手(面倒)な人が増え、短絡的な思考をする人が増加してきました。

8月に行われた、横浜市長選。現職総理のお膝元で対抗馬の山中竹春氏(医師)が当選し話題

となりました。誰が当選しようが、関心はありませんでしたが、当選の理由を聞いて愕然とし

ました。「コロナ対策には、専門家の医師が最適である」というのです。これが横浜市民の多

数の声だとしたら…。

参議院選挙で、ある党から重度の身体障がいを持つ人2名が当選しました。「身障者の意見を

国会に届ける」だから、身障者が議員にならなければならない。酒造会社の社長になれるのは、

杜氏さんでなければならないのでしょうか?トップに立つ人間は、現在を分析し先を見通す力

と決断力が必要です。分析に知識が必要なら専門家を招聘すればいいのです。必ずしも、自身

がその道のエキスパートである必要などないのです。そんなことも考えられないような国民ば

かりになったら、この先日本はどうなってしまうのでしょうか。

先日、財務省トップの矢野事務次官の「このままでは 国家財政は破綻する」と題した論文が

月刊誌に掲載され、大きな問題となりました。政治家のみならず、マスコミも批判的な論調の

ところが多いですが、国民1人あたり1000万円近くの負債を背負っている中、更に借金をして

お金をばらまこうとする政治家に、敢えてもの申さなければならなかった矢野事務次官の心中を、

多くの国民はどう感じているのでしょうか。『朝三暮四』という言葉がありますが、国民が目先

のことばかりにとらわれ、真実を見抜けない猿のようになった国の将来は、どうなるのでしょう

か? 今回の選挙により国民が選択した日本の未来は、どうなっていくのでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


アーカイブ

Top