会報「あすなろ」2021(令和3年)年12月号「過去はいつまで…」

コロナ2年目、東京オリンピック・パラリンピック、自然災害といろいろなことがあった、令和3年

も残すところ1ヶ月となりました。近年マスコミの報道に関して「ちょっとまずいんじゃないの」と

感じることが多くなった気がしますが、オリンピックに関わる不祥事で、更にその数を増したように

感じます。

その1つが“オリンピック開会式の責任者が、過去に引き起こした人権軽視発言が問題視され、直前に

なって辞任させられた”ことです。

若い頃は、誰しもが“やんちゃして羽目を外したり、失敗することがあったはず”です。多くの人は、そ

ういった経験の中から、いろいろなことを学び、修正して社会の一員となっていったのです。それを

じくり返して、今の人間性まで否定し、活躍の場を奪うことが、本当に正しいことなのでしょうか。

直前に指揮官を失った開会式の演出は、まとまりのない中途半端なドタバタしたものとなってしまいま

した。

ノルウェーのメッテ=マリット王太子妃は、平民出身でシングルマザー、さらに高校生の頃には

交際していた男性とともに、麻薬パーティーに参加、という驚きの経歴。さらに長男を未婚のまま

出産。しかしその後は、乱れた生活を断ち切り、ウエイトレスや農家で季節労働者として働きなが

ら(もちろん育児をしながら)猛勉強し、名門オスロ大学に入学しました。そこでホーコン王太子と

出会い、2人は恋に落ち交際。ところが彼女の過去が報道されると国民は大反対、王室の支持率も

急降下しました。結婚前に彼女は自らの過去を国民に謝罪「残念ながら過去は変えられません。

どんなに変えたいと願っても…。しかし未来は変えられます」と語りました。その誠実で率直な姿に、

国民は強く共感を覚え、国王夫妻も認める結婚となったというのです。

日本の皇室でも“平民と皇族との結婚”という似たようなことがありましたが“皇族が平民になる”という

ノルウェーとは逆のパターンでした。しかも相手は、生まれてから一度も自分の力(金)で生活した経験が

なく、親の人間性も問われるなど、本来祝福されるべき結婚もバッシングの嵐という、何とも言われぬ新

生活が始まりました。過去からの脱却ということに関して、一般的には少し遅い気もしますが、これから

彼が懸命に働き、(ホーコン王太子のように)妻を幸せにすることができるのであれば、心から祝福したい

と思います。

今の日本は、防犯カメラに写った泥棒にはモザイクをかけて人権を保護するのに、俗に言う上級国民がや

らかしたちょっとのミスを見つけると“完膚無きまでに叩き潰しても良い”かのような風潮が見られます。

以前話題にした、政治家に対する(平等)バッシングから始まった『出る杭は打たれる』的な報道は、SNSの

書き込みを都合の良いように(どんな投稿を放送するかは、番組プロデューサーの考え方次第)利用しながらエ

スカレートしています。

こういった“他人の幸福を喜べない人、他人を貶める人、を増やす”ような報道が多数なされることが、日本国

民を幸福に導くとは到底思えません。

コロナ禍で大きな経済損失を被ったオリンピックでしたが、せっかく日本を舞台に開催したのですから、そこ

から私たちは“1つのスポーツに真剣に取り組み最高のパフォーマンスを発揮して戦う、戦いが終われば互いの健

闘をたたえ合う、という美しい選手の姿(心)”を自分達の財産としていかなくてはなりません。どこかの国のよう

に、他人を攻撃(批判)して自分のイライラの解消を図る。そんな報道はいりません。そんなことをしても、自分達

の心がまずしくなるだけです。これからも、こういった社会の中で、幸福をつかむ力をつけるため、日々の稽古

を通して自分を磨いていきたいものです。

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