令和5年2月号 うら面「実践空手」

かつて“寸止めは空手ではない、実際に打撃を与えて相手を倒せなければ”と

『実践空手』を立ち上げた先人がいます。今行われている実践空手のルール

は、(危険過ぎるので)顔面パンチなし、でボディを打ち合って勝敗を決める

スタイルが多いようです。実際けんか(ストリートファイト)で、顔面を狙っ

てこない輩はまずいません。つまり『最強の空手』を謳う実践空手のルール

は、現状(実戦)には即していない、といっても過言ではありません。現実問

題として、けんかで相手に怪我をさせれば傷害罪ですし、勝っても負けても、

怪我をして(まして死んで)しまっては、何の得にもなりません。ただ残念なが

ら、表面で述べたように、自分の心のコントロールができない人が増えてい

るのも事実で、自分には何の非もないのに、犯罪に巻き込まれるケースが増

加しています。

今年になって、意図的に自由組手の時間を増やしています。今まで、白帯

さんや黄色帯さんは「組手にはまだ早い」と自由組手はやらせていませんで

した。しかし、暮れの通り魔的な事件、凶悪な強盗事件の増加(残念ながら、

今後も減ることはなさそう)により“面と向かって対応できる力”を少し早い段

階から養っていこうと思っています。白(黄)帯さんにも、どんどん攻撃させ

ます。しかし、一方的に攻撃する(典型的ないじめのパターン)だけでなく、

白(黄)帯さんの攻撃した力に合わせて、反撃を食らうようにしています。

つまり、強く殴ってくる子には、強い力で。まだ力のない子は、弱い力で反

撃するようにしています。“痛い思い”というのは、絶対に必要だと思ってい

ます。“(殴られる痛みを知らない子が)集団で1人の子をいじめて命を奪って

しまった”という事件は、過去何度もありました。

スポーツ組手で勝つ、という流れからは逸脱した『ガラパゴス』なのかもし

れませんが、我が子と一緒に稽古するパパたちにも“愛する妻子を守って行け

る”という自信を持ってもらいたいと思います。ただ勘違いして欲しくないのは、

あくまで“身を守るという前提で、強くなる”ということです。『心』の成長なく

して、強くなることの意味はありません。幸せな人生を送るために、人の痛みも

分かる人にならないと、武道を学ぶ意味はありません。

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