会報「あすなろ」2023(令和5年)年2月号「ガラパゴス」
赤道直下の太平洋上に、ダーウィンが「進化の実験室」と呼び『進化論』を発想
するに至ったといわれるガラパゴス諸島があります。独特の進化を遂げた固有種
が現在も豊富に生息していて、世界的な観光地としても有名なこの地の名称は、
我々日本人にとって別の意味で有名になりました。それは“携帯電話のガラパゴ
ス化”でした。ガラパゴス化とは“孤立した環境(日本市場)で製品やサービスの最
適化が著しく進行すると、外部(外国)の製品との互換性を失い孤立して取り残さ
れるだけでなく、適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い製品や技術が外部か
ら導入されると、最終的に淘汰される危険に陥る”という、進化論におけるガラ
パゴス諸島の生態系になぞらえた警句です。その警告の通り、日本の(便利機能?
満載の)携帯電話は消滅にむかい、スマホに取って代わられることになりました。
昨年の暮れに、通り魔的な事件が多発しました。大学教授のM代氏は、見ず知
らずの男に切りつけられ重傷を負いました。数日後には茅ヶ崎で、家を訪ねてきた
男に刺され、家の主が死亡。さらに飯能では、一家3人が近くの男にハンマーで殴
られて死亡、という痛ましい事件でした。M代氏を襲った犯人はまだ捕まっていま
せんが、他の2件は『逆恨み』という、何ともやるせない理由が犯行動機のようで
す。“コロナに罹った”こうなれば、普通の人は“他人にうつさないように”と最大限
の努力をします。ところが、残念ながらというか「何で俺がコロナになるんだ、他
のやつも道連れにしてやる」こういう発想をする人間がいるのです。多くの法律や
マナーは、こういった身勝手な人間を対象に作られています。このわずか数%の人
のために、何の罪もない人が(いろいろな意味で)犠牲になってしまうのです。
ある報道で「M代氏は、武道の心得があったため、何度も切りつけられたけど、
致命傷を負わずに済んだ」と伝えていました。飯能の事件での凶器は、重たいハン
マーだったそうです。振り回すのには時間がかかる(スピードが遅い)凶器に対して、
3人の被害者は、ほとんど何も抵抗せずに殺害されてしまいました。もし家の主人が、
M代氏のように武道の心得があったら、妻と娘を守ることができたかもしれません…。
参加する気があれば、年に10回程度の試合には出場が可能だと思います。試合の多く
は、全空連ルールで行われます。会報で何度も触れましたが、そこで勝っていくには、
ルールに応じた対応が不可欠です。試合で使わない型を稽古したり、基本に多くの時間
をかけることは、あまり賢い方法とは言えません。昭和の時代じゃないんだから「今時
“根性だ”などと言っても流行らないよ」と言われてしまうかもしれません。しかし、下
を向いていた子が、時には怒鳴られたりしながらも、辛い思いを乗り越え、自分に自信
を持てるようになれたら、素晴らしいと思うのです。私の考え方は『ガラパゴス』なの
かもしれませんが、金沢宗家の“空は無なり、無は無心なり、無心は真実なり、真実は道
なり”という言葉を見る度、ガラパゴス(勝利にこだわり過ぎない独自路線)で良いのかも…、
と思うのです

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