会報「あすなろ」2023(令和5年)年12月号「感謝」

先日、生活保護受給者とその支援者が“生存権を求める京都デモ”を行い

「たまには旅行に行きたいぞ」「たまにはオシャレもしたいぞ」「たま

にはウナギも食べたいぞ」と訴えたという報道がありました。それに対

して実業家のHゆきさんがSNSで一生懸命働いている人でも“ウナギなん

て滅多に食べられん”“旅行に行く余裕なんてなく休日は寝てる”のに「贅

沢したい」の主張は、生活保護者への非難を増やすのでは?と発信し話題

となりました。

今年は猛暑のせいで、山の木の実が不作だったせいもあり、各地で熊の

被害が多発しました。秋田県のある町では、住宅地にある作業小屋に立て

こもっていたクマ3頭を駆除したら、町役場にクレームが殺到したそうで

す。電話に出た職員に、いきなり「人でなし」「地獄に堕ちろ」と罵声を

浴びせたり、30分以上もネチネチと抗議し続けたり…。10日以上も抗議の

電話が続いていて、町役場は通常の業務に支障をきたしたそうです。こう

いった人達は、野生の熊とアニメ化されたかわいいプーさんの区別がつけ

られないのでしょうか?“野生動物に襲われる”という恐怖を、全く想像す

る力がないのでしょう。ついに秋田県知事が会見を行い「抗議の電話は、

名前も名乗らず一方的に訳の分からない主張を叫ぶだけ、明らかな業務妨害

なので、電話をすぐ切るように指示した」と述べる事態となりました。

京都デモの支援者や、町にクレームを入れる人達に共通することは、貧し

い生活とは無縁、熊とは無縁の人生を送っていることです。『無縁』という

前提があるから、無責任な抗議ができるのです。こういった人達は、独りよ

がりで的外れな『正義』を振り回すみっともなさを全く自覚していないので

す。相手がどんな状況なのかを想像する力がなく(視野が狭い)、匿名という

安全圏から、自分よりも弱い立場の相手に強気に出ているのです。

こういった人達が増えてきている理由の1つが“アメリカ的人権意識”の広

がりです。悪いことをした人でも、個人が特定できないように守る。だから

悪いことでもやったもん勝ち。

そして、何でも(自分に過失があっても)訴える。こんな風潮が蔓延しています。

もう1つの要因が“日本人が感謝の心を忘れている”ことです。お風呂に入って

「あ~気持ちいい」と声が出る時、美味しいものを食べた時、ウクライナや中

東、多くの地で、生きていくことすら困難な人々が、たくさんいることを少し

でも思い出せたら“クレームを付けまくろう”という発想は出てこないはずです。

日本では、そこそこ豊かに安全に暮らしていけることが『当たり前』と思って

いる人がたくさんいるのです。当たり前のことをありがたいと思う人はいませ

ん。残念ながら、こうした独善的で短絡的で、平気で弱い者いじめができるタ

イプの人間が増えています。そういう社会の中で強く明るく生きていくために

は、こちら側も秋田県知事の「名乗らないクレーム電話はガチャン」ができる

程度の『強さ』は必要となってくるのです。強い体は強い心を作ってくれます。

いつも言うことですが、人間は促成栽培はできません。地道にこつこつ努力を

続けることで『幸せの土台』を手に入れられるのです。

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