令和4年8月号 うら面「宗教(あなたは何を信じますか?)」
安倍元首相の暗殺により、平和ぼけした日本人の危機回避能力の低さ(アメリカでは、
銃声を聞いたら「とにかく伏せろ」と小学校で教わるといいます)が露呈し、2023広
島サミットの警護に暗雲をもたらした結果となりました。警備の不手際は国レベルの
大問題なので、報道もあまり強く批判できません。代わりといっては何ですが、犯人
の母親がはまっている『宗教』に非難が集中しました。
いろいろな宗教がありますが、良い宗教か悪い宗教かを見分ける方法は、非常にわか
りやすいのです。それはただ一つ“最終的に(多額の)お金を要求してくるかどうか”です。
今回話題となった旧統一教会も「お金なんかない方が幸せなんだ」と、信者には多額の
献金(本が1冊3000万円…)をさせ、集めた膨大なお金で組織の上層部は贅沢三昧(上層部
はお金があった方が幸せ)。この明らかな不条理にもかかわらず、未だに信者は、せっせ
と献金を続けているそうです。
そもそも宗教とは、人々の生活の中で起こる自然災害や病気といった、自分達の力では
どうしようもないことの原因を(良いことは)神様・仏様、(悪い事は)鬼や悪魔といった正体
不明なものに結びつけ、神仏を信じることで、安らぎを得ようとする心の働きを指導者が
体系化していったものです。科学の進歩に伴って、多くの災いや病気の原因が解明(かつて
恐怖であった原因が、科学で説明が可能となった)されていき、宗教の影響力も昔よりは小
さくなっています。
とはいえ、科学は進歩しても、人間の心は簡単には進歩しません。私の知り合いに、こん
な話がありました。Aさんはキャリアウーマンで、そこそこリッチに暮らしていました。彼
女は毎月、関西にある新興宗教の総本山に『礼拝』に通っていました。ある時、教団の幹部
から結婚の相手を紹介されたそうです。相手の方は重度の障害者で介護なしでは生活ができ
ません。幹部曰くは、「あなたのご先祖の一人が犯罪者で、その業がやがてあなた現れ、あ
なたは不幸になる。この人と結婚し、この人に尽くすことで祖先の罪は清められ、あなたも
幸せになれる」と。
結婚というのは、資金集めに最適で旧統一教会の『合同結婚式』などは、まさにその典型
です。冷静に分析すれば、何度も礼拝に通う中で、教団は(懺悔などを利用し)より緻密な彼女
のデータベースを作ったはずです。彼女からすれば「私しか知らないことを、神様が言った」
などと言うことが起こるのです。一方男性の家族には、たくさんの献金(お布施)を要求し、介
護に疲れ果てた両親を介護から解放するために、生活能力のある女性に男性の介護を押しつけ
る。“神様が決めた”という台詞は教団には都合が良く、信者には重みのある言葉です。Aさんは、
たまたま友人に相談し、その巧妙な仕組みに気がついたから良かったですが、旧統一教会員の
『神のお告げ』を信じ、高額な参加費を払い、生活能力の無い韓国人男性を押しつけられた日
本人花嫁の悲劇は、繰り返し報道されています。
新興宗教にはまる人には共通点があります。それが『不幸体験』です。広い部屋に小さな明
かりが一つ点いています。部屋が明るい時だったら、その明かりはほとんど見えません。この
状態が私たちの日常です。心が折れた時、つまり部屋が真っ暗になった時、初めて、その明か
りに気がつきます。真っ暗な部屋の小さな一つの明かりは、何より頼りになる気がするはずで
す。そんな状態の時、「それは祖先がかつて犯した罪が今のあなたに…」などと言われれば…。
人生全て順風満帆とはいかないものです。そんな時、何を信じ、何に頼るのか。6月号の裏に、
私の座右の銘の1つ「いいことはお陰様、悪いことは身から出たさび」という言葉を載せました。
自分以外の誰かが悪い、こう思った瞬間、心に大きな隙ができます。人とは弱いものです。

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