会報「あすなろ」2025(令和7年)年1月号「白黒つける?」

あけましておめでとうございます。暮れには、保護者の皆様と、忘年会という形でいろいろなお話をすることができ、有意義な一時を過ごすことができました。日常の稽古の中で、なかなか保護者の皆さんと話をする機会がありませんので、指導者の中には「親御さんの顔がよく分からない」という声もありました。まず、顔見知りの関係にならないと、思うように話(例えば、指導方法について等)もできません。かつては育成会の音頭で、夏にキャンプ場を借りて川遊びをしたり、冬にはスキーに行ったりしたこともあります。子どもの成長をサポートしていくには、学校教育だけではなく、地域社会との連携も不可欠です。今、地域との関わりが薄れつつあるといわれますが、部活動の地域活動への移行など、その重要性が再認識されつつあります。ですから保護者と指導者の連携もまた不可欠であり、スポーツ少年団の目指す姿でもあります。しかし、まだまだ“みんなで何かをするということが煩わしい”という意見も多く、会社の忘年会も自由参加となり、忘年会自体が成り立たなくなって止めてしまった、などという報道もなされています。
SNSの普及により、誰でも簡単に自分の意見を発信できるようになりました。しかし、匿名性の高さにより、発信者の無責任な(感情任せの)誹謗中傷も増加しています。先日も秋田市のスーパーに居座った熊を駆除したら、「何で熊を殺すんだ」「山に返せ」などという苦情が100件(ほとんどが県外)以上寄せられたといいます。こういった人達は“もし自分や家族の目の前に熊が現れたら…”という事態を想像する能力に欠けていると言わざるを得ません。23年度の統計では、熊に襲われ219人が怪我をし、6人が亡くなって(熊の胃から発見された人も)います。熊というと「プーさん」のイメージもありますが、間違いなく我が国最強(最凶)の猛獣なのです。
交際が破局すると“交際相手をつけ回し、殺してしまう”という事件が後を絶ちません。これも相手のことを何も考えない、身勝手で短絡的な発想です。コンピューターは、基本的に0か1かでいろいろな演算(処理)をしていきます。最近の事件報道を聞くたびに、人間の思考もコンピューターと同じになってしまっている気がします。昨年話題になった兵庫県知事選での選挙違反報道も同じです。お金を支払ってSNSの戦略を企業に任せたら、公職選挙法違反なのかもしれません。でも、それが70万円と聞いて、それで「買収だ」とか「違反行為は許せない」と大騒ぎをするのも、ちょっと違う気がするのです。例えば法定速度60kmの道を時速61kmで走行したら、確かに違反なのかもしれません。しかし、それで「違反したんだから逮捕しろ」というのは、あまりに非現実だと思うのです。
人生には、白黒はっきりさせた方がいい場合もありますが、もう少し柔軟というかファジーというか、気楽に考えていった方がいい場合もたくさんあると思います。いろいろな人とのつきあいの中から、自分にない考え方と出会ったりしていくのも楽しいことだと思います。今年1年が、皆様にとって素晴らしい年になりますように…

 

物の価値…

渡米一年目で、ワールドシリーズ(WS)優勝という幸運を射止めた山本由伸選手。先日、そのちょっとした報道に驚かされました。それはWS第2戦に先発を控える山本選手の出勤姿の公開でした。「山本は白のTシャツ、黒のパンツ、黒のサンダルを組み合わせたシンプルコーデを披露。右手に大きなバッグを携えてクールな雰囲気を漂わせている」この投稿を見た人からは「今日もカッコ良すぎて涙 エルメスのサンダルかわいい」といったコメントが多数寄せられていたというのです。エルメスといえば有名なバッグのブランド。それが「サンダルを売っているんだ」と調べてみたら、なんと約12万円~20万円。一瞬目を疑ってしまいました。サンダルといえば“ちょっとその辺にお出かけ”といった時に履くものといったイメージしかありません。それが10万円以上(いったいどれだけの利益を含んでいるのか…)で売られ、買う人がいる…。
ブランド品と言われるものがあります。例えば腕時計、ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲ…数百万、数千万円とキリがありません。大谷選手が身につけていたセイコーの時計が8万円で、(庶民でも買えると)話題になったことがあります。
時計に求められる本来の機能といえば、正確な時間を刻むことです。
昔、超円高の時期があり「1500万円のベンツが1200万円で買える」となりました。ところが、輸入元の会社は「当社では車の値段を下げて販売しません」と発表。「ベンツに乗る人は、1500万円(の車)に乗っているんだ」と言われ話題になったことがあります。時計だって、車だって、バッグだって「何百万・何千万円の○○」であることが重要で、機能などある意味「その次」なのです。
私が若い頃は、今よりずっと規制がいい加減で、コピー商品がたくさん出回っていました。10万円の財布が7000円(もちろん偽物)で買える。でもその財布には1000円札しか入っていない…。私もいくつか買ったことがありますが、結局長持ちもせず、壊れたり、メッキがはがれたりと、まさに安物買いの銭失いでした。
本来、ブランド品というのは、長い間たくさんの人に使われ、その中で生き残っていった品物なのだと思うのです。それを形だけ真似てみても、そのブランドの歴史を冒涜するもので、手にしても結局は愛着のもてる物にはならないのです。
教員は、自分の専門外の部活を受け持つことがあります。そんな教員のために、柔道や空手で、2~3日講習を受けると、初段がもらえるシステムがあります。かつてある人が「自分は柔道と空手、両方黒帯だ」と自慢していました。そんな彼(や彼の大切な人)の身に何か起こったとき、その黒帯が守ってくれるのでしょうか?
どんなスポーツでも続けていけば、やがてお金では買う事のできない“強い体・強い心”を手にすることができるはずです。さらに武道は“物理的な強さ”も手にすることができるのです。長い人生を旅していく上で、これは本当にプライスレスの価値になると信じています。何度も繰り返し言うことですが、我が子にプライスレスの価値を与えるために、今年も(忙しい時も多々あると思いますが)稽古に出かける我が子のサポート(送迎)をお願いしたいと思います。

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