会報「あすなろ」2025(令和7年)9月号「日本魂崩壊」
かつてゴルフは「紳士のスポーツ(今なら男女差別と言われてしまうかも…笑)」と言われていました。それはスポーツのなのに、ドレスコード(服装規定)が定められていることも、その一因かと思われます。ところが近年、そのルールが崩れてきています。先日ゴルフに行ったのですが、前の組は若い男性4人組でした。1人はTシャツ(襟のない上着でプレーする人を初めて見ました)姿です。とにかく賑やかで、ティーグランドでも、おしゃべりをしていてなかなか打たないのです。前の組が300ヤードを超えた頃、オナーが素振りを始めました。どれだけ飛ばすのだろうと見ていると、200ヤードも飛びません。次の人も何度も素振りをして、挙げ句の果てにOB。結局4人が打ち終わる頃には、前の組はホールアウトしていてグリーンは空いている状態でした。ラウンド中もマナーの悪さが目立ちました。私の仲間の1人が「誰も教えて(叱って)くれる人がいないから、あんなプレーヤーばかりになっちゃうんだよな」とつぶやきました。
以前述べたことがありますが、ワイドショーで(その道の)専門家が解説で呼ばれます。1つの事件の報道が終わると、MCが解説者に「ありがとうございました」とお礼を述べると、解説者も「ありがとうございました」と返します。かつては「どういたしまして」が当たり前でした。夜のワイドショーで、番組が終了するときにMCが「おやすみになる人は、おやすみなさい」と言います。こういった風潮は、一部視聴者からの「あの解説者は、生意気だ」とか「俺はまだ寝ないのに、おやすみなさい、とは何だ」といった投稿の結果と思われます。
ある学校で、給食費を払わない家庭に、先生が催促に行ったとき、親が「なんだその口の利き方は」と怒り出し、(おきまりのコースで)教育委員会にクレームを付けたそうです。委員会から学校に「誰がそんなことを言ったのか?」と問い合わせがあり、家庭訪問をした教員が注意を受けた。という話を聞きました。電話を受けた教育委員会の担当が「給食費を払わないあんたが悪いんだ」と言ってやればいいのに、ただただ「申し訳ございません」。北海道で、ヒグマが駆除されると、道外から抗議の電話が来るそうです。中には2時間も…。こうなると、電話を受ける側にも問題があると思います。1~2分話を聞いて「ご意見は分かりました、上司に伝えます」で電話を切ってしまえばいいのです。今は、ほんの一握りの筋の通らない意見で、(騒がれたくないからと)方針が変わっていくのです。これじゃ、アホがつけあがるに決まっている(ちょっと過激な発言?)のです。
道場に入るときに「押忍(オス)」と言って入らないと、先生や先輩から「ちゃんと礼をして入ってこい」と叱られます。靴を揃えることも、整列の時、人の前を通らないことも、帯を直す(服装を整える)時に、後ろを向くこと…みんな、日本人らしさ(一定の秩序)を守るのに必要なマナーなのです。かつては各家庭で祖父や祖母が、そういったマナーを教えていけたのですが、現在では、年寄りが(義務を遂行せず)自分の権利ばかり主張する時代となってしまいました。道場では、(礼儀作法の)形を教えますが、稽古を続けていくうちに、心も育っていくことを期待しています。
あやまり時
伊東市の市長が当選して、市の広報が出されたとき、市長の紹介欄で、東洋大法学部卒、とされていました。ところが、市議会宛に「市長は大学を卒業していない、除籍になっているはずだ」という告発文が届いたのです。市の職員や、市議会議長は、卒業証書を市長から提示されていました。ところが、その時の見せ方が“0.5秒ほどのチラ見せ”であった(後に19.2秒なので、チラ見せではないと主張で、また炎上)とされることから“ファミレスなどでメニューをチラ見せし「おまえは市長か」という遊びが流行った(?)”と、一時期、話題になりました。
市長擁護派からは「学歴なんて関係ない」という意見が出てきたりしました。確かに田中角栄氏を例に出すまでもなく、その職に見合った能力があれば、どんな学校を出ていようが関係ないはずです。その後彼女は、市長辞職の前言を撤回し、更なる混乱を招いてしまっています。マスコミも面白がって?卒業証書の正体を探っていましたが、大学側が「除籍になっています」と言っているので、卒業証書がある訳がないですし、(卒業しているか、いないか)市長本人が一番分かっているはずです。
初めは「学歴なんて…」と言われていた彼女も“平気で嘘をつき通す”“悪いことをしても謝らない”という人間性に疑問符が打たれるようになってしまいました。これが、一番最初の段階(学歴詐称が告発された)で「たいへん申し訳ございませんでした。大学には入りましたが、途中でバイトに夢中になり、卒業はできませんでした。ただ、友達が作ってくれた卒業証書があったので、カッコつけて、卒業と言ってしまいました。お騒がせしてしまって、本当にごめんなさい」と謝ってしまっていたら、状況はそこまで悪くならなかったかも知れません。
同じように最初が肝心なのが、何かを断るときです。男女間のトラブルも「はっきり断ったら、相手が傷つくのでは…」と、曖昧な返答をしたことがきっかけになることも多いのです。本人は、それとなく断ったつもりでも、相手は、自分に都合の良いように解釈して、そんなに嫌われていないんだとなり、更なる進展を求めてきます。自分にできないこと、意にそぐわないことは、はっきり「できません」「ダメです」と断ることです。
と、言葉で言うのは簡単ですが、実際にはなかなかできません。私たちが、空手道を通して目指していることは、試合でメダルを取ることではありません。スポーツの空手であれば“試合で好成績を得ること”を目標の1つとして掲げるのは悪くはありません。しかし空手道(武道)としては、親の庇護を受けているうちに活躍(良い成績を収める)することを目的としていません。残念ながら、これから益々、身勝手な発想をして、平気で人を傷つける人が増えてくると思われます。ですから、我が道場では“心と体を鍛えて、自分を強くしていく過程を通じて”、独り立ちしてから“幸せな人生を手に入れること”を最終的な目標と考えているのです。

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