会報「あすなろ」2025(令和7年)10月号「日本万歳」
近年、毎年「異常気象」と言われ続けていますが、今年の暑さはまさに異常。40℃超という気温が、何度も観測されるようになりました。今までの高温というのは、台風などによるフェーン現象で一時的なものでした。しかし今年の高温は、ダブル高気圧、明らかな地球温暖化の影響によるものです。そんな暑さの中、イギリスBBCで「各国の暑さ事情」を取材したニュース番組が放映されました。その中で話題をさらったのが、日本の工事現場の様子でした。猛暑の中、作業員が扇風機を付けた服を身につけ、黙々と作業をしている映像が流されます。スタジオでは「おいおい、日本人やり過ぎだろう」と、失笑が起こりました。番組は生放送でしたので、放送中からネットでは「まるで漫画」と話題になりました。この話題が日本のSNSで取り上げられると、空調服を着用して日本の現場で働いている人々から「恥ずかしいなんて思ったことはない。これは命を守る装備なんだ」という投稿が次々となされました。
BBCでは、最初の放送から一週間後に、東京からの取材を放送しました。炎天下での長袖の着用は、単なる日焼け防止だけでなく、怪我や薬品のリスクをなくすものであること。気化熱(液体が蒸発するときに、周囲から熱を奪っていく現象)を利用した、この画期的なシステムも、開発当初は“日本人からも「なにやってんの?かっこ悪すぎ」とバカにされ、なかなか受け入れられなかった”というエピソードや、開発者の「暑い中で働く人を(熱中症から守り)、無事家族の元に帰してあげたい」という思いを伝えていました。
この服の真価が分かってくると、英国人たちは「僕らはずっと“暑けりゃ我慢しろ”って文化で生きてきた。でも日本は“暑さは命に関わる問題と考え”具体的な答えを出してきた。服は人を飾るものから、人を守るものへと、価値観の変化が起こった」と、実際に日本から輸入して着用する人が出てきました。実際に着てみると、これが何とも涼しい。今や日本の作業服売り場には、外国人が殺到して、お土産として何着も買っているそうです。日本のメーカーも、小型化、軽量化、バッテリーの性能向上、洗濯可能な構造…と、さらなる改良を重ねているそうです。
最近youtubeにはまっていて(周囲からは「遅い」と言われますが(笑))、上記の話題も「ニッポン万歳(海外の反応)」という項目から見つけました。同じ項目から、目を引いたのが、反日教育が徹底している、中国や韓国からの旅行者(欧米への留学者)の投稿でした。両国とも国を挙げて“日本人は敵だ”という教育をしています。当然日本に来る時には、それなりの覚悟を持って来日するのですが、いざ日本に着いてみると、清潔さ、静けさ、思いやりといった、予想に反する体験をするのです。そしてほとんどの来日者が“感情論だけで判断するのではなく、事実を積み重ねて歴史を検証していくことの大切さ”を実感していくのです。
最近の日本は、これらの外国人の思い違いを正すことができなくなるような事件ばかりが報道されます。武道を学ぶ者としては、美しい日本の心を伝え続けていきたいものです。
試合への参加
空手の道場に入門しようとする時“○○の流派だから”という理由が選択肢に上ることはまずないと思います。皆さんもご存じの通り、剣道や柔道は、公益財団法人全日本剣道連盟、公益財団法人講道館といった団体が日本国内で資格の授与や、各種大会の運営を執り行っています。空手にも公益財団法人全日本空手道連盟(全空連)という組織が存在してはいますが、剣道や柔道のように完全に統一された団体ではありません。ですから仮に私が独立して『重田流』を創設すれば“宗家10段”を名乗り、段位を与えることも可能です。ちなみに世界に130カ国以上の支部を持つ、我が國際松濤館空手道連盟(SKIF)は、全空連には所属しておりません。
空手には、始祖の1人糸洲安恒師から教えを受けた弟子たちによって(伝言ゲームのように)それぞれ流派が生まれ、現在では、四大流派といわれる松濤館流・和道流・糸東流・剛柔流、そしてフルコンタクト系の流派があります。空手の大会では、形(SKIFでは型と表記)と組手の試合が行われます。形は流派によってたくさんの形があるので、試合を行うには判定が難しいのです。そのため、全空連では各流派のいくつかの形を「指定形」として、その中の形で優劣を判定するようにしています。
かつて木更津市の大会は、各流派の形を自由に演武し、審判は(全ての流派の形を理解している審判は、まずいない)、技の切れやスピード、力強さ、緩急などを見て判定してくれていました。ところが現在は、全空連の指定形のみを判定基準とし、そこから外れた動きは減点対象となってしまっています。木更津市空手道連盟(木空連)は、10数団体が加盟していますが、ほとんどの道場が、全空連の指定形のみを教えるか、自流の流派の形と全空連の指定形のうち試合で使用するもののみを教えています。SKIFには26の型があります。私も初めは“空手は組手だけ強くなればイイ”とあまり型の稽古は好きではありませんでした。しかし今は、型の稽古自体が楽しいと感じています。できれば道場生にも、型を演武する楽しさを知って欲しいと思っています。うちに出稽古に来ている道場の生徒を見ると、自流の形と全空連の形を教わるので、どちらも中途半端になってしまっている気がします。試合に出場するため(勝つため)だけに形を学ぶのは、それぞれの形を考案した先人に申し訳ない気がします。
組手の試合は今や、全空連のルールが主流です。SKIFのように自流の大会を主催することができない流派では、全空連のルールに従うしかありません。そのために、多くの大会に出場するためには、全空連の指定の防具を揃える必要があります。組手の判定も“頭の近くに足が上がれば3ポイント”“メンホーから5cm離れて、伸びきった突きでも1ポイント”などと、武道としてはちょっと“?”な判定がなされています。以上の観点から、当道場はSKIFの大会以外は“家族の自由参加”としています。もちろん試合が近づけば、髙浦師範中心に全空連の指定形の指導も行っています。ただ、重田個人の意見を言わせてもらえれば、まず松濤館の型がしっかりできるようになって、全空連の形を学んで欲しいと思っています。

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