会報『あすなろ』2015年11月号

支部長の独り言 『強さを得ることで…』

空手(あえて空手道と書かないことに…)が、2020年の東京オリンピックの種目になることが、ほぼ決定したというニュースが流れました。また、ノーベル賞を今年も2名の日本人科学者が受賞したというニュースも連日の号外が発行されるなど、大騒ぎでした。日本人はオリンピックとか世界遺産とか、ノーベル賞とかミシュランのガイドブックなどという世界的な権威に認められることが大好きです。世界遺産になった途端に観光客が増加、ミシュランで星をもらった料理店は、予約も取れないくらいだといいます。旅行とか食べ物なら、何かの権威の言いなりになって、それを追いかけることもいいと思いますが、人生の生き方・物事の考え方まで何かの権威の言いなりになってくると、ちょっと恐ろしい気がします。

例えばオリンピックスタジアムです。初めザハ氏のイメージスケッチを見たほとんどの人が「素晴らしい」と感じたはずです。ところが、建築費用が当初の予算と比較にならないほどかかることがわかると「無駄遣いだ」とか「もったいない」という報道がたくさんなされました。スタジアム設計に『予算枠』が考えられていないなんてことがあるのでしょうか?予算が提示されていた上で、ザハ氏の設計が出たなら、ザハ氏側が責任を取るべきです。そんな基本的なやりとりもなされないまま、マスコミは政府の責任を追及。結局莫大な賠償金その他を支払い、計画は白紙撤回となりました。どんなスタジアムができあがるかはわかりませんが、5年後のオリンピックを迎える時、そしてオリンピックが終わった後、本当に日本が世界に誇れるスタジアムとして輝いているのでしょうか?中途半端に予算をケチって、どこにでもあるような競技場となってしまったら…。マスコミの報道でいいように扇動され、大切な物が見えなくなっているような気がしてなりません。安保法案も、いつの間にか『戦争法案』と名前がすり替えられ「戦争なんて嫌だ」「死にたくない」という集団がデモや集会を行っている姿が広く報道されていました。「戦争反対」を叫んでいる(もちろん戦争は絶対ない方がいいに決まっています。でも国を守らなくて…)人の中で、どれだけの人が、現在の憲法(GHQが作った)や、中国の施策など、諸々のことを理解しているのでしょうか?
武道を学ぶ意味の1つは、過去何度も述べたように“生き方を学ぶこと”だと思っています。武道の稽古を続けることで、強い体、強い心を持つことです。強い精神力(稽古によって得られる自信)が得られることにより“安直に人の意見に踊らされず、何が正しいか何が真理なのかを見極める余裕”が出てきます。身の回りには、「儲かりますよ」とか「あなたのためです」などと心地よい言葉がいっぱいです。稽古は、行くまでは「ダルイ」「次回にしよう」などという気持ちになります。でも実際に汗を流すと「やって良かった」になります。ダルイ心と戦いながら、稽古を続けることで、真実を見抜く目(甘い言葉の後ろにある物も)が育っていきます。
東京オリンピック後の空手(JUDOのようになっていくのか)やスタジアム(オリンピックの記念碑として、後世においても光り輝き続ける存在として残っていけるのか)等、いろいろなことを、元気に体の動く限り見守っていきたいと思っています。

支部長 重田紀元

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