会報「あすなろ」2019(令和元年)年12月号 「命と人生」
“たばこ1本吸うことで寿命が14分縮まる”と言われています。
ということは、1日1箱吸う人が1万箱(約27年4ヶ月) 吸うと寿命がおよそ100日縮まるという
計算になります。
だから“たばこは止めましょう”と、近年愛煙家にとってはますます住みづらい世の中になってきて
います。この発想は何度も取り上げている“命は何より大切(1分でも1秒でも寿命は延ばすべき)”
という(終戦時のアメリカの)教育からきています。
政府(マスコミ?)は、命の長さのみを話題にしがちですが、本当に多くの日本人がそのように考
えているのでしょうか?私はたばこを吸いませんから良くはわかりませんが、たばこには“緊張を
解きほぐし心身をリラックスさせる効果もある”と言われます。だとしたら、それを失って(禁煙し
てイライラしながら毎日を送って)まで、僅かばかりの命の長さを手に入れようとする行為に、本当
に価値が見いだせるのでしょうか。
近年クオリティ・ライフという言葉が盛んに使われています。正しくはquality of lifeなのでしょう
が…。(我々の周りには英語?が氾濫しています。何でもかんでも英語が格好いい、白人がステキ…。
これも残念ながら戦後のアメリカ教育のたまものの1つです)
とにかく、我々がどれだけ人間らしく・自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているかを尺度
としてとらえる概念で、こういう発想が出てくること自体、多くの日本人が『寿命の長さ』のみを扱う
ことに疑問を持っている証拠だと思います。
この考え方からすれば、喫煙問題は命の問題ととらえるのではなく、吸う個人の問題、個人の選択と
してOKだと思います。
しかし“自分の楽しみのために他人を不快にしても平気だ”というのは、あまりにも身勝手で子供っぽ
い考えですし、副流煙の健康被害も無視できません。
つまり喫煙はマナーの問題、思いやりの問題だと思うのです。とにかく、せっかく平和な時代の日本
に生まれたのですから、与えられた人生を有意義に幸せに暮らしていきたいと誰もが願うはずです。
幸せを見いだせる能力を身につけられれば、あとはお金と健康、そして趣味などの『楽しみ』でしょうか。
私が本格的に空手を始めたのは27歳。大人の道場生がほとんどいない中、稽古に励みました。
「結構運動神経はいい方だ」と思っていましたが、後屈立ちや蹴込み、蹴上げ、そして『型』を覚えるのに
は相当の時間を費やしました。
仕事のため稽古に出られない日もあり、黒帯取得まで5年近くかかりました。今思えば、まだ黒帯の実力
はなかったかもしれませんが、健康な体とある程度の強さを手に入れられる喜びから、できる限り週3回の
稽古を続け、何とか現在に至っています。
お陰で、同世代の人より(体型もですがちょっぴり自慢)「はるかに機敏に動ける」「元気でいられる」と
思っています。
人生の喜びは、単なる長さではないはずです。食べたいものを我慢してまで、ベッドの上の人生が欲しい
とは思いません。ただ、食べたいものを食べるだけ食べて、たるんだお腹を手に入れようとも思いません。
週3回の運動は、食べたいものを食べながら、そこそこの体型(健康)も維持してくれます。
健康も大切ですが『人との出会い』も忘れてはならない人生の宝物となっています。
私はあまり社交的な人間ではありませんが、同じ趣味を通してたくさんの人と出会い、素晴らしい人間
付き合いをさせてもらっています。
単なる寿命より、健康寿命。「ぴんぴんころり」と言いますが、あの世からお迎え(避けられません)が来
る直前まで、元気でいたいものです。

コメントを残す