会報「あすなろ」2020(令和2年)年4月号「本気でやると面白い」

先日の稽古中、突然「2人組を作ってじゃんけんしよう」と言いました。

皆訳も分からずじゃんけんぽん。「はい勝ちました」「負けました」何も面白くありません。

ところが「一発勝負で勝ったら、1億円貰えると思ってじゃんけんしよう」と前置きして

「せーの、じゃんけんぽん」とやると、勝った方はめちゃくちゃ嬉しい、負けた人はめちゃ

くちゃ悲しいのです。同じ行為でも本気でやる時とそうでない時では『楽しさ』に大きな

違いがあるのです。本気でやったらめっちゃ楽しいのです。そもそも好きで始めた空手です。

ちょっとスイッチを切り替えて本気モードでやれるよう応援してあげてください。

“好きこそものの上手なれ”ということわざがありますが、本気モードで楽しくなると、どんど

ん上達します。

勉強も同じです。また新たなる1年が始まりました。今までと同じ気持ちで、同じ生活をし

ていれば、また3月に「今年も勉強やれなかったなぁ」の反省を繰り返すことになります。

新しい学年(新しい学校でのスタート)は、子ども達に『本気』で取り組んでもらいましょう。

本気でやることの面白さが分かってくると、まず先生の話が聞けるようになります。

今まで注意散漫で足りなかった入力が格段に増えてきます。入力量が増えれば、記憶される量

も増え、それを基にたくさんの思考が働けるようになります。つまり勉強ができるようになるの

です。できると楽しい・気分がいい→進んで勉強するようになる→また成績が上がる→気分がいい…

という循環ができあがります。

今の学校の多くの生徒が、授業に集中しない(入力が少ない)→わからない(成績が伸びない)→面白

くない→やらない・授業も集中しない…という悪循環に陥っているのです。悪循環を好循環に変える

方法はただ1つです。“本気モードでやることは楽しい”という実体験を脳に学習させることです

せっかく空手道の道場に通っているのですから「来た時は一生懸命やる」のです。大きな声で「押忍」

と道場に入り、稽古始めの礼の時には、しっかり自分の心に「さあ頑張るぞ」と声をかけ、本気モード

に入っていきます。何事も訓練です。初めは億劫だったり、恥ずかしい気持ちもあるかもしれません。

しかし、稽古の後の「今日も頑張ったなぁ~」という清々しい気持ちを体験していくうち、自然に脳が

『本気の楽しさ』を学んでくれます。同様に『美しさ』も自然には身につきません。かつては家庭や

社会が『躾』という形で、美しい物を見分ける力を与えることができました。残念ながら社会がその

力を失いつつある今、私は道場とは(前号で述べたように)人生という道を美しく幸せに歩むために必

要な力を、少しでも身につける訓練をする場であると思っています。

社会に出ても、何事にも中途半端な人間は、付き合っても楽しくありません。

康で笑顔を絶やさず、仕事をする時は本気でやり、遊ぶ時は本気で思いっきり遊ぶ。

そんな素敵な人生を歩むための道場通いです。

何度も言うことですが、KARATEでなく空手道を学ぶ意義は“大会で(一瞬の)勝者となるためのテクニ

ックを学ぶ事ではなく(たった一度の)人生という大きな舞台での勝者になる”事にあり、道場で地道に

行う稽古、試合で負けること…、みんな大切なの時間なのです。

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