会報『あすなろ』2013年4月号

支部長の独り言  プライスレス

人から見れば、つまらない物と思える物でも、その人にとっては何物にも代え難いものがあります。
どんなにお金を積んでも手に入らないもの、それは形ある物に限らず、思い出や大切な友人のようなものもあるでしょう。同じように、身に付けた健康・技能・才能も同じくプライスレス、いくらお金を積んでも手に入れることができません。
もったいないという言葉(感覚)は、世界に通用するものであると言われていますが、場合によっては、“安物買いの銭失い”というような状況を招いてしまいます。買い物ではないのですが、以前木更津市営プール・トレーニングルームに通ったことがあります。行った時だけお金を払えばいいし、と始めたことですが、そのうち「いつでも行ける」となり、やがてほとんど行かなくなりました。そこで月6,300円払ってジムに入会しました。「行っても行かなくても、お金を取られる(言葉は悪いですが…)」と思うと、行かないともったいない、とできる限り通うようになりました。お陰で、充実したアフターファイブと体のシェイプアップができました。その後、ジムは空手以外に居合を始めたりして止めてしまいましたが、生来貧乏性の私でも、上記の「友達のつきあいや身に付けられるモノに関してはケチケチしない」こと意識するようになりました。もったいないと思う心を「こんなにお金をかけているんだから、元を取るぞ」というように考えることにしています。趣味で行うゴルフもスキーもテニスも、道具は初めからそれなりの物を買ってしまいます。人からもらった物とか、安物を買うと、かえって気が入らず無駄にしてしまいます。

月4,000円(できれば、来年度引き下げしたいと思っています)が高いか安いかは、人によって違うと思いますが、どんなにお金を積んでも手に入れられない強さ(心も)や健康、体(スタイル)を将来にわたって得られるための出資と思って、稽古に励む要因にして欲しいと思います。強くなるためにここにきて、道場生の組み手のレベルが上がってきました。これは二つの要因が考えられます。
一つは、相手の目を(通して全身を)見ることができるようになってきたことです。相手から目を離さないことで、相手の出した突きや蹴りが捌(さば)けるようになります。最後の最後まで相手から目を離さないことが大切です。自分の体を相手の攻撃に触れさせない『捌き』は空手に限らず、格闘技の中では最も大切な感覚の一つであるといえます。特に剣豪宮本武蔵は、相手の剣の切っ先をミリメートル単位で見切ったと言われています。こうなると防御は即攻撃につながります。ここまでは、無理としても、相手の突き(蹴り)をなるべく小さな動きで流し、自分の攻撃につなげる。これが捌きの最終目標です。今後の稽古で各自が持ってほしい課題は、相手の攻撃を捌く時、いっぱい下がるのではなく、ちょっと下がって(できれば前に出て)捌いて、次の攻撃につなげる意識です。
もう一つは、突き(特に連続の)や蹴りの速さが増してきたことです。突きや蹴りといった単調な稽古の時に、手を抜いて楽をしていた子どもの数名(まだほんの数名ですが…)に変化が出てきました。とにかく意識の問題が大きいのです。稽古にどれだけ真剣に取り組めるかです。

ここで私の行っているトレーニング法を紹介します。
突きの極(き)めをしっかりさせる訓練。「歩きながら手首をひねりながら握りしめる」これを歩くリズムに合わせて左右50回とか、数を決めて手首をひねりながら歩きます。詳しくは稽古の中で。

支部長 重田紀元

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