令和6年2月号 うら面「今、気になっていること」

毎回、稽古開始の15分前には道場に行って、利用申請をしたりして準備を

始めます。そして、4~5名の道場生が元気にやってきて、走ったり(体を

温める)モップをかけたりして稽古の開始を迎えます。暖冬とは言え、一年

で一番寒い時期です。「今日も冷房ばっちりだね~」などと言いながら黙想、

礼、から準備体操をします。この頃になると3~4人増えてきます。ここま

では毎回決まった顔ぶれで、空手が生活の一部になっているメンバーです。

表のページでも述べたように、このメンバーの多くは確実に上達しています。

特に今驚いているのが中学生のA君です。道場に通うには、ちょっと距離があ

りますが、ほとんど休まず稽古にでています。初めは基本を身につけること

に苦しんでいましたが、成長期と重なったためもあり、目を見張る上達ぶり

です。このまま続けていければ、彼は素晴らしい精神力・肉体的な強さを手に

し、私の言うところの『素晴らしい人生』を送るための土台を手にすることが

できるはずです。

一方で心配なのが、同じく中学生のB君です。彼も通うにはちょっと距離が

あり、送迎は必須で、どうしても出席率があがりません。さらに、せっかく

道場に来てもイマイチやる気が感じられないのです。稽古への参加も、彼自

身の意志というよりは、親の願いを感じてしまいます。今の時代“男だから…”

というのは、時代錯誤なのかもしれませんが、やはり“男は、周囲の人を助け

ていける強さ”を持っているべきだ(持っている方が…)と思っています。どん

な時代になっても、女性は自分の伴侶は“精神的にも肉体的にもサポートして

くれる男性の方が良い”と考えると思うのです。きっとB君の親もそう考え、

我が子を道場に送り出しているのだと思いますが「親の心子知らず」になっ

てしまっている気がします。

今、何とかしてB君や、似たような状況の道場生に“自信を持って人生を歩

いて行ける力”を持たせてあげたい。その思いが強いのですが、こちらの思

うようにはなりません。先日ある道場生から「こんなに覚えが悪いと、その

うち見捨てられちゃうかもしれません」と、本気とも冗談ともとれるような

口調で言われました。その時ふと思ったのです。私も、型がなかなか覚えら

れない、蹴上げ、蹴込み、後屈立ち…何度やってもうまくいかなくて不安に

なったことを…。

しかし安心してください、私がそうであったように、指導者は決して生徒

を見放しません。それは、空手を学ぶ目的が、身近な試合の勝利ではなく、

長い人生においての勝利を得ることだからです。もし空手を辞めるのであれ

ば、それは道場生自身の決断によるものです。

道場は学校ではありませんから、出欠も自由ですし、時間の制限もありま

せん。ただ、週1回2時間稽古するより、週2回1時間稽古する(途中で帰る

ときは、事前に一言「8時で帰ります」などの声かけをお願いします。突然

いなくなったら心配しますので…)方が上達します。送り迎えもたいへんだと

思いますが、道場で得られる『力』は、お金では買うことができないものです。

ぜひ“今しか与えられないもの”を、子ども達に与えてやるためにも、親の協力

(送迎)を、お願いします。

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